
こどもがネットに使う時間は、平日1日あたり平均5時間27分。こども家庭庁「令和7年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」(2026年公表)の数字で、前年度から約25分伸びました。小学生(10歳以上)に限っても3時間54分あります。
「時間は決めてあるのに守らない」と感じているなら、問題は約束の中身ではなく、約束を支える仕組みのほうかもしれません。Wi-Fiルーターのタイマー機能を使うと、決めた時刻に自動でネットが切れます。声を荒らげる回数が減るのは、親にとっても救いです。
ただし2026年のいまは、設定しただけでは効かない条件があります。主要メーカーの現行機能と、つまずきやすい3つの落とし穴までまとめました。
ルールを決めている家庭は4分の3。機械に守らせている家庭はその3割
同じ調査でいちばん引っかかったのが、この落差でした。
家庭でネット利用のルールを「決めている」と答えた保護者は75.9%。一方、子どもがスマートフォンを使っている家庭で「機器の設定で時間管理している」と答えた保護者は20.8%です。集計の母数がそれぞれ違うので単純比較はできませんが、言葉でルールを決める家庭に比べて、機械に守らせる家庭がずっと少ないことは読み取れます。
さらに、ルールの有無についての回答は保護者75.9%に対し、こども本人は67.2%。8ポイント以上のズレがあります。親は決めたつもりでも、子ども側には届いていない。うちだけの話ではなかった、と感じた方もいるはずです。
平均利用時間は学校種が上がるほど伸びます。小学生(10歳以上)3時間54分、中学生5時間24分、高校生6時間44分。話し合いだけで押し戻すには、正直きつい数字です。
Wi-Fiルーターのタイマーは、家じゅうの機器をまとめて切れる

スマホのスクリーンタイムだけで安心していると、抜け道が残ります。同じ調査によると、青少年がネットに使う機器はスマートフォン78.5%のほかに、学校から配布・指定されたGIGA端末72.7%、ゲーム機66.2%、テレビ65.9%。スマホ1台を締めても、ゲーム機とタブレットが空いていれば意味がありません。
Wi-Fiルーターのタイマーは、ルーターにつながる端末ごとに、接続できる時間帯を決める機能です。ゲーム機もタブレットもスマートテレビも同じ土俵に乗ります。ここがOS側の制限との決定的な違いです。
設定は端末単位なので、兄弟で内容を変えられます。小学生の弟は夕食後の20時から1時間だけ、中学生の姉は23時以降は接続不可。曜日指定に対応する機種なら、習い事のない曜日だけ長めに、という調整もできます。
例外を許す操作も親のスマホから行えます。宿題の調べ物で必要なときは、その場でオンに戻せばいい。逆に突然オフにもできますが、ゲームの最中に落とすのはおすすめしません。恨みは意外と長く残ります。
主要メーカーのタイマー機能【2026年版】
メーカーごとに機能の名前が違います。まずは手元のルーターの説明書か型番で、どの名前の機能があるかを確認するのが早道です。
NEC Aterm「こども安心ネットタイマー」
現行機では「見えて安心ネット」の中の機能として提供されています。対応するのは19000T12BE、7200D8BE、3000D4AX、WXシリーズ(WX11000T12、WX5400HP、WX1800HPなど)、WGシリーズ(WG2600HP4、WG1800HP4、WG1200HS4など)。設定はスマホアプリ「Atermスマートリモコン」から行います。
注意したいのは、この記事が以前紹介していたWF300HP2やWG1800HP2が、すでにサポート期間を終了している点です(Aterm Q&A No.12016/2026年1月22日更新時点)。脆弱性への対応が行われないため、メーカーからは買い替えが案内されています。手元の型番が古いと感じたら、まずNEC Atermの現行ルーターと見比べてみてください。
バッファロー「キッズタイマー」
Wi-Fiを使える時間を制限したい端末を登録しておく方式です。「子どもの端末は16時から19時までの3時間、仕事用のパソコンは24時間」というように、同じ家の中で扱いを分けられます。有害サイトをブロックする「i-フィルター for BUFFALO」は60日間無料で試せるので、効き具合を確かめてから継続を決められます。
ひとつ知っておきたいのは、キッズタイマーが制限するのは無線でつないだ端末だという点です(一部のWi-Fi 6対応機種は有線接続端末も制限できます)。据え置きゲーム機やデスクトップPCをLANケーブルで直結していると、そのままではすり抜けます。有線もまとめたい家庭は、有線・無線の両方を対象にする「アクセスコントロール」に対応した機種を選んでください。こちらは商品がルーターとして動作しているときのみ使えます。バッファローのWi-Fiルーターを選ぶときは、この2つの機能名で仕様表を見比べると失敗しません。
エレコム「こどもネットタイマー3」
30分後から23時間30分後まで、30分単位で接続できる時間を設定できます。時間帯をタップで選ぶスケジュール機能もあり、WRC-BE72XSDシリーズなどの現行機に搭載されています。
ただし2015年から2017年に発売されたWRC-SシリーズとWRC-Aシリーズは、旧世代「こどもネットタイマー2」の一部サービスが2025年1月31日で終了しました。Webサイトフィルターが使えなくなるほか、タイマーはルーターを再起動すると設定がリセットされます。心当たりのある方はエレコムの現行モデルで世代を確認しておくと安心です。
TP-Link「HomeShield」
TP-Linkのルーターやメッシュ製品は「HomeShield」の名前でペアレンタルコントロールを備えています。ここは1点だけ注意が必要で、1日の利用時間の上限とオフタイム(就寝時間)の設定は、有料の「HomeShield Pro」の契約が前提です。無料の範囲は年齢別フィルターなどにとどまります。時間制限を目当てに選ぶなら、購入前に確認しておいてください。
設定前に知っておきたい3つの落とし穴
1. プライベートWi-Fiアドレスをオフにしないと効かない
「設定したのに効かない」の正体は、たいていこれです。
ルーターは端末をMACアドレスで見分けています。ところがiPhone・iPad・Macの「プライベート Wi-Fi アドレス」やAndroidの「ランダムMAC」は、そのアドレスを自動で変えてしまう機能です。アドレスが変われば、ルーターから見れば別の端末。せっかく登録した時間割が、まるごと迷子になります。
NECは公式Q&Aで、この機能が有効なまま設定するとWi-Fi接続に失敗したり、つながっていてもインターネットの閲覧ができなくなる場合があると明記し、無効にするよう案内しています。作業に取りかかる前に、子どもの端末側でこのスイッチを切っておいてください。
2. モバイル回線には届かない
Wi-Fiを切っても、契約しているスマホはLTEや5Gでつながります。ルーターのタイマーが守れるのは家のWi-Fiまで。そう割り切って、OS側と二段構えにするのが現実的です。
iPhoneなら「設定」→「スクリーンタイム」の休止時間とApp使用時間の制限。Androidなら「Googleファミリーリンク」で1日の利用時間の上限とおやすみ時間を設定します。ルーターで家全体、OSで端末ごと。役割を分けると穴が減ります。
3. ゲーム機は本体側でも締める
子どもの66.2%がゲーム機でネットを使っている以上、ここを外すと効果が半減します。Nintendo Switch 2とNintendo Switchは、スマホアプリ「Nintendo みまもり Switch」から1日にあそぶ時間とおやすみ時間を設定できます。おやすみ時間を決めると、その時刻から翌朝6時まで(9時まで延長も可)遊べなくなり、時間が来たらソフトを中断させる設定も選べます。
最初の設定こそ、子どもと一緒に
タイマーは、親が一方的に締めるための道具ではありません。決めたルールを機械に代行させる仕組みです。押し問答が減るぶん、親も子も消耗しません。
だからこそ、最初の設定は子どもと一緒にやるほうがうまくいきます。何時から何時までにするのか、宿題で必要なときはどう申告するのか。抜け道を先に見つけられてから揉めるより、先に一緒に決めておくほうがずっと平和です。
理想は、制限しなくても自分で切り上げられるようになること。タイマーはそこへ向かうための補助輪だと思っています。
まずは今日、家のルーターにどの名前の機能が載っているか、確認するところから始めてみませんか。
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