こんにちは!ライターのスージーです。
集合住宅・戸建てに限らず、近所づきあいは少なからず発生します。
賃貸ならまだしも、分譲の住まいはこれから何十年も顔を合わせる事になるご近所さん。
出来ることならトラブルなく過ごしたいところです。
そして、万が一何か問題があったときは、お互いの溝が深まらないようにすることも重要です。
もし、トラブルが発生してしまった場合にはどうやって解決に持っていったらいいのでしょうか?
ご近所トラブルで最も多い騒音のトラブルを例に対策を考えていきましょう。
苦情をいう時の基本の心得
近所付き合いでの悩みは、主に2つのケースに分かれます。
- 近隣の住民によって何らかの被害を被るケース
- 近隣からのクレームに悩まされるケース
最初は被害者だとしても、対応を間違えて行き過ぎたクレームで相手を追い詰めてしまうと、クレーマーとして加害者の側面も持ちあわせてしまうことにもなりかねません。
被害を被っているうえに悪者扱いされては踏んだり蹴ったりです。
まずは、自分のおかれた状況と取るべき行動を冷静に判断し、クレーマーに認定されないようにすることが、ご近所トラブルを回避するポイントです。
うるさい!と思ったらまずすべきこと
近隣からの騒音で悩んでいる場合は、まずは今の状況を客観的に整理しましょう。
- 音の大きさ
- 時間帯、頻度
- 音の種類
チェックしたいのはこの3つです。
音の大きさ
まずは音の大きさ。
生活している以上、音を出さずに生活することはできません。
どれくらいの大きさで不快に感じるかは人それぞれです。
測定器を買ってまで図る必要はないので、ただ「うるさい」というだけでなく、どの程度のうるささなのかが第三者にも伝わるようにしておきましょう。
例えば、「耳をすませば聞こえるくらい」、「窓を開けたら気になるくらい」、「テレビの音が聞こえないくらい」など、です。
時間帯、頻度
次にうるさく感じる時間帯や頻度です。
いつも決まった時間帯にうるさく感じるならば、この時間の音が気になると具体的に示すことで、解決につながります。
また、お互いの生活時間帯がずれることで、不快になっているのかもしれません。
同じ音量でも、寝ている時間帯と忙しく活動している時間帯では、不快感も大きく異なります。
ただし、何時何分に音がした、などと細かくチェックし始めると、いままで気にならなかったような音までも気になるようになってきてしまいます。
午前中・日中・夕方・深夜とざっくりとした分け方でいいので、どの時間帯の音に困っているのかを把握するくらいにとどめておきましょう。
また、毎日ではなく、たまに感じる騒音の場合は、時間帯にあわせて曜日や日にちもチェックしておくと、相手が何をしているタイミングなのかがわかり、早い改善につながります。
音の種類
最後は音の種類です。
実はコレが一番重要だったりします。
種類によって、相手への対応を考える必要があります。
娯楽系(テレビや音楽の音)だったら本人は騒音の原因になっているとは気づいていないのかもしれません。
伝えることで、すぐに改善してもらえる可能性大です。
生活音(洗濯機や掃除機の音)なら音のでる時間帯をずらしてもらうことで改善できるかもしれません。
赤ちゃんの泣き声や子どもの出す音の場合は、即改善とはいかないので、お互いの妥協点を見つけて歩み寄ることも必要です。
また、赤ちゃんや子どもの場合はその時期だけです。
その後の関係を思うと、一時ならあえて苦情は伝えずに我慢したほうがよいと判断することもあるでしょう。
伝え方
間に第三者を挟む
賃貸の場合は大家さんか管理会社に、分譲の集合住宅の場合は管理組合に相談する方が、穏便に解決できます。
伝えるときは、先ほどチェックした3項目の内容を出来るだけ客観的に伝えるようにしましょう。
集合住宅の場合は、上下左右で音が反響するため、どこの部屋からの音なのか特定できない場合もあります。
そんなときは、絶対この部屋!と決めつけずに、まずは現状困っていることだけを伝えましょう。
掲示物や回覧などで、音のでどころを特定せずに全体的に注意喚起するソフトなやり方をとってもらえる場合もあります。
音のでどころがある程度わかっている場合は、ピンポイントでそのお宅に管理会社や管理組合から伝えてもらうこともできます。
この時に、こちら側の個人を特定しないほうがいいか、自分が苦情を言っていることを相手に伝えてもいいかどうかの確認をしておくといいでしょう。
こちらからあえて名乗る必要はないですが、もし相手から、どこから出た苦情なのかを聞かれた場合には伝えてもいいか、伝えてほしくないかを間に立って交渉してくれる人管理会社や組合に予め伝えておくと安心です。
直接伝える時のポイント
戸建ての場合は、基本相手との直接交渉となります。
間に立つ人がいない分、気をつけないと今後の関係性をこじらせることにもなりかねません。
まずは、伝えるシチュエーションです。
一番ソフトなのは、偶然会った時にそれとなく伝える方法です。
ゴミ出しのタイミングや、出勤や帰宅時に家の前で会ったとき、買い物のときなど、挨拶ついでに一言二言話しながらその話題になればベストです。
「うるさいからやめて」という言い回しでなく、聞こえていることがそれとなく伝わればいいのです。
テレビの音だったら、「○○の番組面白かったですよね、うちもあのとき同じの見てたんですよ。」とか、音楽だったら「この前ちょっと聞こえたんですが、あの歌いい歌ですよね。」とか、カラオケだったら「○○さん、お家でカラオケ出来るんですか?歌お上手ですね。」とか。
なるべくプラスの印象になるような言い方だと角が立ちません。
生活音の場合は、「お仕事してると洗濯夜になっちゃいますよね。うちも時々夜に洗濯機回しちゃうんですけど、やっぱり音聞こえますか?」とか、共感の姿勢を見せるとちょっとソフトになります。
子どもや赤ちゃんの場合は、「元気なお子さんですね」とか、「夜泣き大変ですよね。」などと伝えるとすぐに察してくれるはずです。
相手が気づいた時に、その場では何も言わずに黙って改善してくれる場合もあるでしょうし、その場で「うるさかったですか?すみません」と言われることもあるかもしれません。
うるさかったですか?と聞かれた場合は、そこで気を使って「うるさくない」と言ってしまうと、相手は真に受けて安心してしまうので、改善にはつながりません。
聞こえているけれどこの時間帯はちょっと気をつけてもらえるとありがたい、など、そこからお互いの妥協点を話しあうようにしましょう。
なかなか偶然会う機会がない場合は、お家を訪ねるしかありません。
この場合は、さり気なく伝えてもかえって白々しいので、今自分はこのことで困っている、ということをしっかりと伝えましょう。
ただうるさいのではなく、眠りが浅いのでこの時間帯はできれば避けてほしい、とか、家で作業をしているので何曜日はちょっと気をつけてほしい、とか常にではなく、ピンポイントで気をつけてほしいタイミングをこちらの状況と併せて伝えると、ただの口うるさい近隣という扱いにならずにすむ確率があがります。
偶然あった時にさり気なく伝えたけど、いまいち伝わらなかった場合も、この言い方にシフトするといいでしょう。
また、言いに行くタイミングも気をつけてください。
うるさい!と思ったらすぐに乗り込んで行きたくなりますが、ちょっと時間を置いたほうが、来られる側のショックは少なくて済みます。
それでも改善されないときは
日常に支障が出るほど困ってきたら、専門家に相談することもできます。
あまりにも度がすぎる騒音は警察に相談することもできますが、そこまでのケースはまれ。
まずは、弁護士に相談してみましょう。
実際に弁護士に介入してもらう前に、どういったケースが過去にあるかどうかを聞くだけでも、今後対応するうえで参考になります。
ただし、改善されないと思っていても焦りは禁物です。
防音設備のリフォームなどを検討してくれているかもしれないし、子どもの声がうるさい場合は何度も注意してくれているかもしれません。
足音が響かないようにマットを買ったけれど、効果がないのかもしれません。
顔をあわせることがあったら積極的に話しかけてみましょう。うるさくしてしまっている負い目があると、相手からはなかなか話しかけづらいかもしれません。
こちらから声をかけてあげましょう。
軽い世間話をするうちに、向こうから、最近は大丈夫ですか?と聞いてもらえるかもしれません。改善されていない場合は、その時に正直に伝えればいいでしょう。
話しかけても一向にその話にならない時は、不本意ですがこちらから話を振ってみましょう。
できるだけ、温和に。
何度も伝えるのは心苦しいのですが、という雰囲気を前面に出していきましょう。
会話が苦情だけで終わってしまうと、向こうも顔を合わせるとクレームを言われるのではと避けるようになってしまうので、それ以外の会話も気軽に出来るような関係性を築いていけるとベストです。
警察や弁護士なと、プロの手を借りるのは最終手段。
何度も伝えているのに改善している様子が全く見られない。開き直られた。逆にキレられた。
強行手段に出るのは、なんとかしないとこちらがおかしくなる、という緊急事態まで取っておきましょう。
まとめ
苦情を言う側、言われる側どちらも穏便に済ませたいと思うのが通常の考えです。
まれに、喧嘩上等!倍返し!な好戦的な人が近隣にいることもありますが、そのときは不運を嘆きつつ、さらに細心の注意を払って接するようにしましょう。
どちらの側も覚えておきたいのが、常識は人それぞれ、ということです。
平日になかなかゆっくり休めない人にとっては日曜の11時も早朝。
赤ちゃんは泣くのが仕事。
フルタイムで仕事をしている母の家事は家族が寝静まってからが勝負。
それぞれ、本人にとっては当然かもしれませんが、当事者以外はなかなかその状況がわからないこともあります。
近所の人がみんな自分と同じ生活習慣や考え方を持っているわけではないということを踏まえたうえで、相手の気持ちに立つと、近隣への気遣いがうまれます。
トラブルのもとになる要素がある人も、被害を被って苦情を言う時も、相手の立場を一度想像してから行動に移すことが、うまく友好的なご近所付き合いを続けるコツです。
それでも、すでに取り返しがつかないような状態ならこちらのような専門の会社に相談することをおすすめします。